農ある暮らし

信州の唐辛子「辛こしょう」のまとめ

私の住む北アルプス山麓地域(=大北地域=長野県小谷村、白馬村、大町市、松川村、池田町)でこの時期見かける「辛こしょう」。辛こしょうは青唐辛子の事です。今回は来年への自分の為もあって「辛こしょう」についてまとめておきます。

北アルプス山麓で見かける「辛こしょう」ってなに?

辛こしょうは青唐辛子の一種です。青唐辛子って物凄く品種が豊富で、その品種の一つの名称が「辛こしょう」なんだと思っています。では「辛こしょう」はどの品種なんでしょうか?

我がミニ農園の辛こしょうは近所の人の自家採種の苗ですので、品種が良く分かりません。地域の人たちはどこかで苗を買ってきたり、友人から種を貰ったり、交雑したり選りすぐりの種だけ残したり……。そんなことして自分の家の辛こしょうにしてきたんだと思います。

ただ、調べてみると松本の高木農園さんの種販売ページにある太長辛こしょうが近いのではないかと思います。これを見ると辛こしょうは在来種のようですね。

地元に根付いて代々受け継がれてきた品種。だから直売所に行くと「辛い」「大辛」「辛くない」とか書いてあるんですね。主観いっぱいでしょうけど「〇〇さんちのは辛いよ!」とか話題になりますし、辛ければ辛い方が喜ばれるのが面白い。この辺りは雪深いので体を温めるホットなものが好まれたのかな?

ちなみに辛こしょうも他の青唐辛子と同様、畑に置いておくと赤く熟して赤唐辛子になります。なるけど(品種名としての)「鷹の爪」みたいに使うのは、どことなく無理がある気がする。辛こしょうは皮が柔らかいのか、乾燥させて使っても同じ物にはならないんですよねー。一応余ったら熟させて米びつに入れたりはしているのですが。

ただ、こちらの松本の種屋さんのサイトだと乾燥させて使うとも書いてある。

【特長】13〜15cm幾分湾曲する長野県松本市付近の地のとうがらしで極豊産霜が降るまで成り続ける辛味は5cm以上の大きさになるまでは少ない乾燥用よりは青野菜として使われる場合が多いが乾燥香辛料としても利用できる

つる新種苗店

つまり、生の野菜としての方が向いてるけど、乾燥させて使えなくもないよ、ということですね。

なぜ唐辛子なのに「胡椒」?

しかし何で唐辛子のことを「こしょう」と呼ぶのでしょうか。以前住んでいた関東地方では胡椒といえば、あの黒い粒々を指していました。

tenki.jpのコラムにはこんな風に書いてありました。

長野では、栽培される唐辛子によって、「なんばん」と「こしょう」の両方の呼び方が使われています。長野で栽培されている伝統野菜のうち、唐辛子は8品種。ししこしょう、ぼたんこしょう(ぼたごしょう)、ひしの南蛮、そら南蛮、高遠てんとうなんばん、芝平なんばん、鈴ヶ沢南蛮、そして大鹿唐辛子の8種類です。この8品種の中で、「こしょう」があったり「なんばん」があったり「唐辛子」があったりします。

唐辛子を何と呼ぶ? なんばん? こしょう?

我らが「辛こしょう」は残念ながら伝統野菜認定はされていないので、この8品目には入っていないのですが。ともかく長野県には南蛮と胡椒、唐辛子と呼び方が色々あるようです。

そしてNIKKEI STYLEでは下記のように書いてありました。

唐辛子は寒いところで「なんばん」と呼ばれ、暑いところで「こしょう」と呼称されているのである。

北は「なんばん」南は「こしょう」 唐辛子の呼び方

長野県が暑いところという訳ではなく、このサイトの地図を見ると東西両方の呼び名が信州には定着していることが分かります。よく「東西の味の分かれ目」の話になりますが、唐辛子の呼び方一つとっても、信州はその境界線に位置していて東西の文化が交じり合う場所ななんですね。

もしかしたら「安曇族」が九州から信州に来たとき、言葉も来たのかな?なんてロマンを感じました。まぁ、実際は唐辛子は16世紀に輸入されてたそうなので、安曇族は関係なさそうかな……。ですが安曇族っぽく日本海経由で九州から船でもたらされた、とかは良い線いってるのではないかな~?!

ちなみに伝統野菜「ボタン胡椒」とは

「信州 辛こしょう」で検索すると、結構な確率で「ボタン胡椒」がヒットします。こちらはご近所である北信エリアの伝統野菜で、大町市=中信エリアではあまり見かけません。私も調理したことはないです。

ピーマンのようなベル型もしくはそれに近い形で、果肉もピーマン同様に肉厚である。
果実の先端周辺には、深い溝があり、複雑な形となっている。形状が牡丹の花のように見えることから「ぼたんこしょう(ぼたごしょう)」とよばれるようになった。
普通のトウガラシは、比較的温暖な気候を好むが、「ぼたんこしょう」は冷涼な気候を好み、標高の低いところでは上手く栽培できないとされる。

農産物の紹介「ぼたんこしょう」(長野県中野市サイト)

名前が華やかですね、牡丹とは。いつか調理してみたいものです。

レシピまとめ

青唐辛子のレシピはたくさんあるけど、こちとら悪魔で「辛こしょう」ですので。信州発のレシピを探してみました。

必見‼調理するときの注意事項!

辛こしょうは唐辛子です。唐辛子なんで、調理するとメチャクチャ辛い成分が飛びます。

トウガラシの辛みの主成分であるカプサイシンをとりすぎると、粘膜が傷つき、のどや胃が荒れてしまうことがあるので、辛いものを食べ過ぎないように心がけましょう。

カプサイシンに関する情報

そして、カプサイシンは実は石鹸では落ちないのです。辛味成分は油で洗いましょう。油なら何でもいいらしいですが、私は化粧落としで洗っています。洗い落とすのが楽だから。

数本を調理するくらいなら問題ないでしょうが、私みたいに大量に調理すると本当に大変なことになります! 台所から家中に辛い成分が漂っていくので、家族に物凄く非難されます(笑)。

では、備忘録的にレシピを3つ掲載しておきます。

辛こしょう味噌

オーソドックスなレシピを見つけました。信州いきいきレシピより引用です。

材料(2~3人分)

辛こしょう1本(20g)
味噌350g
砂糖50g
みりん大さじ3
大さじ2
ごま油大さじ1

作り方

辛こしょうの種を取り、細かく切る。

鍋又は、フライパンに油・ごま油を入れ熱する。

②に、辛こしょう、砂糖、味噌、みりんを入れ炒める。

荒熱を取ったら、ビン又はタッパに入れ保存する。

私は種は取りませんし、砂糖は少なめにしています。これは本当に美味しい!! 野菜や肉にちょっと付けて食べるのがおススメ♪

とっから味噌

「とっから」は方言なのかな? 「特別辛い」みたいなニュアンスでしょうか。上記の「辛こしょう味噌」との違いは味噌と混ぜる訳ではなく麹を使っています。

青唐辛子しょう油

こちらは「辛こしょう」を使ったレシピではありませんが、分かりやすく簡単なので。

ピリ辛味が夏にぴったり! ハマる人続出の「青唐辛子しょう油」はどうやって作る?

https://kakakumag.com/food/?id=15614

細かく切るのが怖くてちょっと厚めになってます

作り方

1,辛こしょうを細かく切ります

2,瓶に詰めて上からめんつゆをかけます

そんだけ。これも調味料的に使っています。ピリッと爽やかな辛味が美味しい!!!

似ているようで少しずつ違う唐辛子たち。地元ととしては「これで作らなきゃ、なんか決まらない!」と思っているので、レシピが色々あっても本当はその土地の食材を使いたいところですね。